金融庁によるNISA口座の利用状況調査(2023年9月時点)では約2034万件という結果です。
2024年からはNISA制度の非課税投資枠が、NISA(つみたて投資枠)なら年間最大120万円、成長投資枠なら年間最大240万円と大幅に拡充され、さらに多くの方が投資信託を始めやすい環境が整いました。
しかし、投資信託は長期的な資産形成が見込める一方で、リスクも伴います。投資信託を始める前にメリット・デメリットを理解したうえで始めるのがおすすめです。
そこで本記事では、投資経験9年以上の筆者が投資信託のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
これから投資信託を始めようと検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
投資信託とは
投資信託とは、投資の専門家が投資家から集めたお金を株式や債券などに投資・運用し、運用成果を分配される仕組みの金融商品のことです。
少額から投資できるため、比較的リスクが低く初心者でも始めやすいのが特徴です。また、長期的な資産形成を目的とした投資手法になります。
ただし、元本保証されている金融商品ではないため、この点には注意しましょう。
投資信託については、さらに詳しく知りたい方は「投資信託とは?仕組みや特徴を初心者にもわかりやすく解説!」をご覧ください。
投資信託3つのメリット
それでは、投資信託のメリットについて解説していきます。
投資信託のメリットは、以下の3つです。
1. 投資初心者でも気軽に始められる
投資信託は、投資初心者でも気軽に始められる投資手法です。証券会社の多くはスマホアプリ1つで申し込みが完了し、商品の買付設定まで簡単に行えるからです。
SBI証券の場合、スマホアプリから本人確認書類や自撮りを撮影後、アップロードすればWebですべて完結します。また、投資信託の買付設定も操作画面がシンプルでわかりやすく、商品の選択と買付金額を入力すれば簡単に行えます。
SBI証券のNISA(つみたて投資枠)の場合
積立設定日 | 毎月・毎週・毎日 |
決済方法 | 現金・クレジットカード決済 |
NISA(つみたて投資枠)とは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
さらに、NISA(つみたて投資枠)の積立設定日(毎月・毎週・毎日)の変更、また決済方法を現金かクレジットカード決済をワンタッチで選択できるためむずかしくありません。
最初に設定すれば、あとは入金を忘れなければ自動で積立を行えます。そのため、初心者でも簡単に投資を始められるのがメリットです。
2. 少額から投資できる
投資金額は、100円から購入できるため投資経験がなくても貯金感覚で始められます。
というのも、現在各証券会社で販売されている金融商品には、100円単位で購入できるものが豊富にあるためです。
具体的に投資信託を100円から購入できるものは、以下の金融商品が挙げられます。
NISA対象商品
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
商品名 | 最低投資額 |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 100円 |
eMAXIS Slim S&P500 | 100円 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 100円 |
現在のNISA制度であれば、税制優遇制度を活用した投資も可能です。リスクを抑えて少額から始められるのは、投資初心者にとっても大きなメリットになるでしょう。
3.投資の専門家が運用
投資信託は投資の専門家が、日々分析を行い投資先を選定して運用します。
専門家が運用してくれるため、個人で株式や債券に投資するよりも、ほったらかしで大きなリターンを狙える可能性があります。
NISA(つみたて投資枠)対象商品の場合、運用管理費用(信託報酬)が安かったり、利回り5%以上の商品が多かったりと、初心者でも投資しやすい銘柄が揃っています。
商品名 | 運用管理費用(信託報酬) |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 年0.05775%(税抜年0.0525%)以内 |
eMAXIS Slim S&P500 | 年0.09372%(税抜年0.0852%)以内 |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 年0.09889%(税抜年0.0899%)以内 |
つまり、投資のプロに運用を任せられる点は、投資信託のメリットと言えます。
【補足】NISA(つみたて投資枠)のボーナス設定を最大限活かそう
SBI証券のNISA(つみたて投資枠)は年の途中から開始しても「ボーナス設定」をすると、年間可能投資額の補填をできるため、非課税保有枠を最大限活かせる仕組みです。
つみたて投資枠は年間最大120万円まで可能ですが、月ごとの投資可能額は最大10万円までと決まっているため、年初から何ヶ月か経過してから投資を始めても、過ぎた月日の積立は設定できません。
しかし、「ボーナス設定」を活用することで、経過した期間の投資が後からでも投資可能になります。
このような設定を活用すれば、非課税枠に最大限投資できるでしょう。
投資信託はやばい!やめたほうがいいと言われる2つのデメリット
投資信託にはメリットがある一方で、デメリットもあります。どちらも理解したうえで投資するかどうかを検討してみてください。
投資信託では、価格変動や為替変動などのリスクが発生する可能性があります。
それぞれ解説します。
1. 価格変動による損失
投資信託のデメリットとして、価格変動による損失リスクがあります。
金融商品は価格が変動し、日々売買されているためです。
例えば、戦争や大災害など世界経済への懸念や連邦準備理事会(FRB)の利上げ(利下げ)の見通しで投資家心理に影響を与えた場合など、一気に価格は変動する傾向にあります。
したがって、投資信託を購入している以上、価格変動による損失リスクがある点は理解しておきましょう。
2. 為替変動による損失
次に、為替変動による損失リスクがあります。
金融商品の中でも、海外の企業を対象にした商品も多くあるため、外国為替レートによっても基準価額に影響します。
円高になればマイナスになり、円安になればプラスの影響がでるのが一般的です。
例えば、基準価額が1,0000円で為替レートが1ドル100円の場合に購入した場合、基準価額が変わらず10,000円で為替レートが1ドル120円になった場合は、2,000円プラスになります。
購入時 | 円安 | 円高 | |
---|---|---|---|
ドルでの資産の価値 | 100ドル | 100ドル | 100ドル |
為替レート | 1ドル=100円 | 1ドル=120円 | 1ドル=90円 |
円での資産の価値 =ファンドの基準価額 | 10,000円 | 12,000円 | 9,000円 |
このように、投資信託には為替変動による損失リスクがあるので理解しておきましょう。
投資信託のメリット・デメリットを理解して始めましょう
投資信託は長期的に投資することで、資産形成しやすい金融商品です。
これから投資信託を始める場合、信託報酬料(手数料)の安い「NISA(つみたて投資枠)」の商品を購入するのがおすすめです。
2024年からは、NISA制度で投資できる最低投資額が大きく拡充されました。しかも、非課税保有期間は2023年までの最長20年から無期限の非課税保有枠に変更されています。
よって、資産形成を始めるには絶好のタイミングといえます。将来の資産形成を検討している方は、NISA制度を最大限活用するためにも、今すぐ始めてみましょう。
2024年からの新NISAについては、下記の関連記事をご覧ください。