「新NISAや投資を始めたけど、株価の暴落や暴落ニュースを見るたびに心配になりませんか?」
投資で生き残るための本質は、利益を追うことではなく「撤退させられないリスク管理」が必要です。これまで株式や投資信託、仮想通貨など12年の資産運用を続けてきた筆者が、大きな損失を防ぐために実践しているルールをすべて公開します。
資産運用で損ない方法を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ださい。
- 資産運用で損する共通パターン
- 損しないためのリスク管理ルール
- 市場が大暴落したときの行動指針
- 大暴落時の実体験
リスクしかない資産運用で損する共通パターン
資産運用を行う上で損する共通パターンが存在します。
リアルな失敗談(または陥りがちな罠)を確認していきましょう。資産運用で損する共通パターンとして、以下の3つのパターンに大きく分けられます。
それではそれぞれの失敗例をみていきましょう。
①SNSの「爆益報告」に煽られて高値掴みをする
1つ目は、SNSで「〇〇銘柄で+300万!」「まだ買ってないの?」といった投稿が溢れ、「自分だけが時代に乗り遅れて損をしているのではないか」という焦り(取り残される恐怖)に襲われている状態です。
例えばリアルな失敗例として、以下のようなことが挙げられます。
静観:「1株1,000円か、怪しいな…」と見送る。
急騰:2,000円、3,000円とぐんぐん上がり、SNSが「お祭り状態」になる。
限界:「やっぱり本物だ!今買わないと一生後悔する!」と耐えきれなくなって5,000円で購入。
結果、あなたが買ったその瞬間が、これ以上買う人がいなくなった「市場の頂点(最高値)」であり、そこから急落が始まります。
※陥りがちなポイント
SNSで爆益報告が盛り上がっている時期は、すでにプロや早くから仕込んでいた人たちが「そろそろ利益確定して売り抜けようか」と考えている終盤戦であることがほとんどです。
②自分のリスク許容度を超えた金額を一気に投入してしまう
「早くお金を増やしたい」「乗り遅れたくない」という焦りから、本来は残しておくべき生活防衛資金や近々使う予定のお金まで、一括で投資に突っ込んでしまう状態です。
本来なら「最悪半額になっても生活に困らない100万円」で投資すべきところを、「一気に増やしたい!」と貯金全額の500万円を一括投入してしまう。
投資金額が大きすぎると、わずか1%〜2%の値動きで「自分の日給や月給レベルのお金」が上下することになります。こうなると仕事も手につかず、夜も眠れなくなり、正常な判断力が完全に奪われてしまいます。
③下落局面に耐えきれず一番安値で狼狽(ろうばい)売りしてしまう
高値掴みをし、過大なリスクを負った状態で暴落が直撃すると、心の限界を迎えて「これ以上減るくらいなら、少しでも残っているうちに全部売って楽になりたい!」とパニック売りしてしまう状態です。
価格ばかり気にしていると『これ以上損したくない』という思いが強く働き、下落に耐えることが難しくなります。その結果、一番の安値で売却して損失を確定させてしまい「投資はもうやらない」となるのです。
なぜ人はパニックになると合理的な判断ができなくなるのか
パニック状態になったときに冷静でいられなくなるのは、人間として欠陥があるからでも、意志が弱いからでもありません。
人類が何百万年もの過酷な生存競争を生き抜いてきた「超・優秀な生物的防衛システム」が正しく作動した結果です。
つまり投資でパニック売りしてしまうのは、脳があなたを「危険から一刻も早く逃がそう」とフルパワーで守ってくれている証拠なのです。
そこで損しないためのリスク管理ルールについて、次の章で見ていきます。
実践!「損しないためのリスク管理ルール」3選
ルール①:生活防衛資金の徹底選別
生活防衛資金の徹底選別を行います。
「投資に回していいお金」と「絶対に使ってはいけないお金」の境界線をどこに引くかが重要です。
病気・リストラ・災害などに備えて「毎月の生活費 × 6ヶ月〜1年分」の現金を手元に完全ロックし、投資には一切回しません。
投資は余剰資金を運用して複利で増やしていくのが王道のため、この線引きをキッチリとしていないと、生活資金を失ってしまう可能性があります。
ルール②:アセットアロケーション(資産配分)の固定
暴落が来ても心が乱れない「無リスク資産(現金)とリスク資産」の黄金比率を理解しましょう。
株式を中心としたリスク資産は、リーマンショック級の大暴落が来ると「最悪で約50%下落する」と想定するのが投資の世界の鉄則です。
計算例で表すと、以下のようになります。
- 「うーん、暴落して150万円減るくらいなら耐えられるかな…」
- 許容損失額(150万円)× 2 = リスク資産は300万円まで
- 黄金比率: リスク資産 50%(300万円) : 無リスク資産 50%(300万円)
リスク資産が半額になったとき、「マイナス〇〇万円なら、痛いけど夜は普通に眠れるな」と思える金額の「2倍」までしかリスク資産を持たないというルールです。
また以下の表のように、自分の性格や生活環境に合わせて近いタイプを選んでみてください。
| タイプ | 特徴 | おすすめの比率 (リスク資産:現金) |
| 慎重派・初心者 | 暴落を経験したことがない、マイナスを見るのがストレス | 30% : 70% (または 50% : 50%) |
| 標準バランス型 | 100-年齢の法則をベースに、長期でじっくり増やしたい | 50% : 50% |
| 強メンタル・ 長期重視 | 暴落は「安く買えるチャンス」と思える、収入が安定 | 70% : 30% |
どんなに優れた投資理論であっても、暴落が来たときに恐怖で狼狽売りしてしまっては意味がありません。
迷ったら、まずは「リスク資産 50% : 現金 50%」の半々からスタートし、自分の心がどう動くか試してみるのが最も安全で崩れにくい黄金比率と言えます。
ルール③:感情を排除する『機械的ルール』の設定
暴落や急騰が起きてもパニックにならず、感情を一切挟まずに淡々と投資を続けるための最強の武器が「仕組み化」です。
人間は感情を持つ生き物なので「安くなったら買おう」「高くなったら売ろう」と考えると失敗しやすくなります。だからこそ「判断を自分の脳ではなく、ルールに任せる」ことが大切です。
その二大柱である「ドルコスト平均法」と「リバランス」の仕組み化について、以下で解説します。
ドルコスト平均法
ドルコスト平均法
「価格が上がっていようが下がっていようが、毎月決まった日に、決まった金額分だけ買い続ける」という手法です。
仕組み化(全自動化)の方法
銀行口座から証券会社への入金から購入まで、すべて「積立設定(クレカ積立など)」で自動化します。
一度設定したら「証券会社のログインパスワードを忘れるレベル」で画面を見ないのがコツです。相場ニュースを見ずに毎月勝手に引き落とされる状態を作ることが、感情を排除する最高の仕組みになります。
リバランス:増えすぎたリスクを自動で整える仕組み
リバランス
相場の変動によって崩れてしまった「リスク資産と無リスク資産(現金)の理想の比率」を、元の黄金比率(例:リスク50%:現金50%)に定期的に戻す作業のことです。
例えば、株が爆上がりして「リスク70%:現金30%」になったとします。このままだと次に暴落が来たときにダメージが大きすぎるため、増えた分の株を一部売って現金に戻し、再び50%:50%に揃えます。
※リバランスのすごいところ
リバランスを行うと、感情的には難しい「高くなった時に売り、安くなった時に買う」という理想の取引が、ルールに従うだけで勝手にできてしまうのです。
仕組み化がもたらす最大のメリットは「自分の意思の力」で感情をコントロールしようとせず「最初に決めた自動設定とルール」に自分の資産を委ねることが、暴落局面でも資産を増やし続けられる人の共通点です。
【甚大なリスク】市場が大暴落したときの「心の処方箋」
暴落が来たときに慌てず、自分の資産を守り抜くための「暴落時・具体的行動指針」です。
指針1:株価が見たくなくなったら、迷わず画面を閉じる
指針1つ目は、株価を見ないようにすることです。行動や考え方は以下のことが挙げられます。
| 行動 | 証券口座のアプリを削除するか、ログイン画面を閉じてログアウトする。 |
| 理由 | 暴落時に画面をチラチラ見ても、価格が回復することはありません。見れば見るほど「これ以上減るなら売りたい」というパニック(生存本能)が刺激されるだけです。 |
| 鉄則 | 積立設定さえ完了していれば、画面を見ないことが今できる最高の投資です。 |
結論、積立設定を完了しているなら、長期投資と割り切って途中の株価は気にしないことです。
指針2:「安く買えるバーゲンセール」と捉える3つの思考法
指針2つ目は、安く買えるバーゲンセールと捉える3つの思考法を以下に紹介します。
- 思考①「同じ1万円で買える量が倍になった」と考える
暴落は「資産が減る恐怖のイベント」ではなく「同じ金額で買える口数(量)が大量に増えるバーゲンセール」です。価格が下がっている時期にたくさん仕込めるからこそ、将来相場が回復したときに爆発的な利益になります。
- 思考②スーパーの半額タイムセール」に例える
普段買っている大好きな食品が半額になったら「損した!」と怒って買い控えるのではなく「ラッキー!」と喜びましょう。暴落は、優良な資産がそのままの品質で半額で売りに出されている状態と同じです。
- 思考③過去の大暴落はすべて最高値を更新してきた
リーマンショックもコロナショックも、渦中にいた人は「世界の終わりだ」と感じました。しかし、歴史上すべての暴落は一時的な屈み込みであり、その後必ず元の高値を更新して成長してきました。「今回もただの通過点」と歴史を信頼することです。
このような思考をもつことで、大暴落の時期にも対応していけます。
【リスク回避】大暴落時の実体験を3つ紹介
これまでの大暴落に対して、ルールがあったからこそ暴落の渦中で踏みとどまり、その後の大きな上昇波に乗ることができた実体験を3つご紹介します。
いずれも「根性」ではなく、「事前に決めたルール」に機械的に従ったことが勝敗を分けました。
事例①:コロナショック(2020年3月)
一つ目は2020年3月のコロナショック時に「積立停止ボタン」を押さなかったことです。
【当時の状況】
世界中でパンデミックが叫ばれ、わずか1ヶ月で主要な株価指数(S&P500など)が約30%〜35%も垂直落下。「世界経済が終わる」「どこまで下がるかわからない」という絶望的なニュースが連日流れていました。
【試された瞬間】
評価損益が日増しに真っ赤になり「一度積立をストップして、底を打ってから再開した方が賢いのでは?」という強い誘惑に駆られます。
【救ったルール】
何があってもクレカ積立の設定は変更しないで放置する。
【結果】
画面を見るのをやめ、ルール通りに放置したことで、3月・4月の最も株価が安かった時期に大量の口数を自動で購入(買い仕込み)できました。
夏以降、相場が急速にV字回復した際、一番安い底値で買えていた分が強烈なロケットスタートとなり、過去最高の含み益を生み出す原動力になったのです。
事例②:2022年の世界同時株安(ダラダラ下落相場)
2つ目は「年1回のリバランス」が自動で利益確定と買い増しをできたことです。
【当時の状況】
急落ではなく、1年をかけてジワジワと下がり続ける「じわじわ生殺し」のような不吉な相場。ハイテク株などを中心に最大20〜30%近く調整し、投資家の心がじわじわ削られていました。
【試された瞬間】
「どこまで下がるか分からないから、今ある現金(無リスク資産)は手元に残しておきたい」と守りに入りたくなる局面でした。
【救ったルール】
毎年12月に、元の『リスク資産50%:現金50%』に機械的に戻す。
【結果】
12月のチェック時、株安によってアセットアロケーションが「リスク資産35%:現金65%」まで崩れていました。ルールに従い、浮いていた現金15%分を使って、安くなっていた株を買い増し(リバランス)しました。
感情的には「下がり続けている株を買う」のは非常に怖かったものの、翌年2023年〜2024年にかけて相場が急回復した際、この12月に買い増した分が大きなリターンとなって戻ってきました。
事例③:仮想通貨の暴落(2021年〜2022年)
最後は「リスク許容度(上限金額)」を厳守していたことです。
【当時の状況】
ビットコインなどが最高値から70%以上も暴落し、市場全体が凍りついた「冬の時代」。SNSでは爆益を誇っていた人たちが一斉に姿を消しました。
【試された瞬間】
資産価値が3分の1以下まで激減する悪夢のような展開。もし生活費や余剰資金を超えたお金を入れていたら、日常生活が崩壊して狼狽売り(退場)していた場面です。
【救ったルール】
ボラティリティの激しいアセットは、ポートフォリオ全体の5%以内しか持たない
【結果】
対象の資産自体は70%暴落したものの、全体から見れば「ポートフォリオ全体の数パーセントが削れただけ」で済みました。
そのため、夜も普通に熟睡でき、投げ売りすることなく静かに耐え忍ぶことができたのです。その後、数年かけて市場が再び最高値を更新した際にも、市場にとどまり続けていたため、その恩恵をそのまま享受することができました。
これらの事例に共通しているのは、「相場の底(一番安い瞬間)を当てられない」ということです。
プロでも不可能な「底当て」を諦め、「ルール通りに機械的に買った」「ルール通りにリスク範囲内に収めていた」人だけが、最終的に一番美味しい果実を得ることができたというのが、過去のあらゆる下落局面における歴史的真実です。
一番のリスクは「リスクを恐れて何もしないこと」
今回紹介したルールは、以下の3つになります。
投資で一番のリスクは、リスクを恐れて何もしないことです。正しいリスク管理さえすれば、資産運用は怖くありません。まずは小さな一歩(ルールの見直し)から始めてみましょう。
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