資産運用研究所の「投資信託に関する意識調査」では、株式や投資信託を保有する人口は約2,700万人と推計されています。
現在は、政府も「貯蓄から投資へ」をスローガンとして掲げました。
これからの時代、将来を安心して過ごすには老後の資金を国民年金だけに頼らず、自分自身で資産形成をして準備する必要があります。
今回紹介する投資信託を活用して、資産運用すれば将来的な資金を準備することも可能です。
そこで本記事では、「投資信託とはどういった投資方法なのか」「メリットやデメリットはどのようなことがあるのか」を解説していきます。
投資信託を始めようか検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
投資信託とは
投資信託とは、投資の専門家が投資家から集めたお金を株式や債券などに投資・運用し、運用成果を分配される仕組みの金融商品のことです。
少額から投資できるため、比較的リスクが低く初心者でも始めやすいのが特徴です。また、長期的な資産形成を目的とした投資手法になります。
ただし、元本保証されている金融商品ではないため、この点には注意しましょう。
それでは投資信託について、ひとつずつ解説します。
投資信託とは、以下のとおりです。
投資信託の概要
くり返しになりますが、投資信託とは投資家から集めた資金を専門家が株式や債権などに投資して運用する金融商品です。
銀行に預金している場合は、マイナスになることはありません。しかし、投資信託は市場の変化によって価格が変動します。そのため利益が発生する可能性もあれば、元本保証がないためマイナスになる可能性もあります。
例えば、米国の利上げ政策が行われると企業や個人の新規借入にマイナス影響を与えたり、ロシアによるウクライナ侵攻で軍事衝突が発生したりすると、価格は下落する傾向にあります。
とはいえ、10年、20年と長期的に資産形成していくのに適した金融商品だというのも事実です。
つまり将来的な資産形成はできる一方で、暴落する可能性がある金融商品だということは認識しておかなければなりません。
投資信託の仕組み
投資信託は「投資信託運用会社」でつくられ、証券会社や銀行などの「販売会社」から販売され、投資家からお金を集める仕組みです。
要するに販売・運用・資産の保管など、それぞれの役割を果たして成り立つ金融商品です。
基本的な投資信託の仕組みは、以下の流れです。
- 証券会社や銀行、郵便局などで販売
- 投資家から資金を集めて信託銀行が保管
- 運用会社が投資先を決定し、信託銀行が株や債券の売買を行う
主に証券会社や銀行、郵便局などの販売会社で販売され、多くの投資家から資金を集めます。そして、投資家から集めた資金は信託銀行に保管され、運用会社が投資先を検討して信託銀行に指図するのが一般的な流れです。
文章だけでは、分かりにくいので下記の図解をご覧ください。
下記は、それぞれの役割になります。
・販売会社
投資家の口座を管理して、投資信託の販売や分配金の支払いなどを行います。
・投資信託運用会社
運用会社では経済情勢や金融情報のデータ収集・分析を行い、どの資産をどこに投資するかを考え、信託会社に指図します。
・信託銀行
信託銀行は運用会社からの指図に従って、株式や債権を売買・管理します。
このように投資家から集めた資産を、それぞれの役割で連携されているのが投資信託の仕組みです。
投資商品の種類
投資信託の分類は、大きく分けて以下の2つに分類されます。
項目 | 内容 |
---|---|
株式投資信託 | 原則株式を組み入れて運用できる投資信託 |
公社債投資信託 | 株式を一切組み入れずに、国債や社債など 債券(公社債)を中心に運用する投資信託 |
主な投資商品の種類と特徴は「JBA|投資商品の種類と特徴」をご覧ください。
また、購入する期間によっても分類されます。購入・換金がいつでもできる追加型(オープン型)と募集期間中のみ購入できる単位型(追加型)の2通りです。
その他の分類
項目 | 内容 |
---|---|
インデックス | 日経平均株価などの指数に連動する運用成果を目指すファンド |
アクティブ | 日経平均株価などの指数を上回る成果を目指すファンド |
特殊型 | 投資者に対して注意喚起することが必要な、特殊な仕組みや運用手法を用いるファンド 例えば日経平均などの指数のX倍に連動する運用成果を目指すブル/ベアファンドなど があります。 |
ファミリーファンド | 投資家が購入できるファンド(ベビーファンド)の資金を、運用者がマザーファンドと して纏め、株式や債券などの資産に投資するファンド 似ている投資方針のファンドを纏めることで、運用時にかかる費用を抑えるなどの メリットがあります。 |
ファンドオブファンズ | 複数の銘柄を指定せずに、複数のファンドに投資をするファンド もともとファンドは色々な銘柄に分散投資をしていますので、 複数のファンドを投資先にすることで、より広範囲に分散投資を はかり、リスクを抑えることができます。 |
このように投資信託の種類は、豊富にあります。そのため、どの金融商品に投資するのかしっかりと検討して選ぶ必要があります。
投資信託のメリット・デメリット
投資信託には、メリット・デメリットがあります。
初心者の場合、特にリスクについて理解しておかなけれなりません。
投資信託にメリット・デメリットは以下のものが挙げられます。
- 投資初心者でも気軽に始められる
- 少額から投資できる
- 投資の専門家が運用
- 価格変動による損失
- 為替変動による損失
これから投資信託を始めようか検討している方は、下記の関連記事もご覧ください。
投資信託の特徴を理解して始めましょう
投資信託は長期的に投資することで、資産形成しやすい金融商品です。
これから投資信託を始める場合、信託報酬料(手数料)の安い「NISA(つみたて投資枠)」の商品を購入するのがおすすめです。
2024年からは、NISA制度で投資できる最低投資額が大きく拡充されました。しかも、非課税保有期間は2023年までの最長20年から無期限の非課税保有枠に変更されています。
よって、資産形成を始めるには絶好のタイミングといえます。将来の資産形成を検討している方は、NISA制度を最大限活用するためにも、今すぐ始めてみましょう。
2024年からの新NISAについては、下記の関連記事をご覧ください。