「ファクタリングってどんなサービスなの?」
「ファクタリングを利用するメリット・デメリットは?」
このように思っている方もいるのではないでしょうか。
ファクタリングとは、事業者が保有している売掛債権をファクタリング会社に売却して資金を調達するサービスです。ファクタリングを利用することで、通常の売掛金より早く現金化できるのが特徴です。
そこで今回は、ファクタリングについてどのようなサービスなのか、利用するメリットやデメリットはどんなことがあるのかを詳しく解説しています。記事後半では、ファクタリングの注意点についても解説しています。
最後までご覧いただくと、ファクタリングのことや利用するメリット・デメリットが理解できます。ファクタリングの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- ファクタリングとは?
- メリット・デメリット
- サービスの手数料
- 注意点
それでは、まずファクタリングとはどういうサービスなのかを解説していきます。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、個人や事業者が売掛金として保有している売掛債権を、ファクタリング会社が一定の手数料を徴収して、買い取るサービスです。
正当な資金調達の手段であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約になります。
サービス内容には、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
簡単にいうと、2社間は自社とファクタリング会社との契約になり、3社間は自社と取引先、ファクタリング会社での合意によって契約することです。
ただし3社間の場合、手数料が高くなる点に注意してください。
仕組みを解説
それでは、ファクタリングの仕組みについて詳しく解説していきます。
まずファクタリングは違法ではありません。
貸金業と混同されやすいサービスですが、ファクタリングは貸金業とは異なります。
では、違いについてファクタリングと手形で比較していきましょう。
以下が比較表になります。
ファクタリング | 手形 |
---|---|
・売掛金を現金化する ・貸金業ではない ・償還請求権がない (返済の義務はない) | ・手形は受取手形を現金化する ・貸金業に該当し、手数料は上限20%制限されている ・償還請求権がある※ |
手形との違いは、現金化の対象が異なる点です。
ファクタリングは売掛金を現金化する一方、手形は受取手形を現金化します。
上表のとおり、償還請求権があるかないかの違いもあります。
くり返しになりますが、ファクタリングは貸金業ではありません。しかし、手形は上限20%に手数料が制限されている貸金業に該当します。
このようにファクタリングと手形には大きな違いがあるのです。
それでは次章からは、ファクタリングを利用するメリット・デメリットについて紹介していきます。
ファクタリングを利用するデメリット
ファクタリングを利用する際のデメリットは、3つあります。
まず手数料が発生する点です。
そのため、売掛金のままだと満額現金化できますが、ファクタリングを利用した場合、一定額の手数料が差し引かれた金額が現金化されます。(手数料については後述)
また審査に必要な資料を準備しなくてはなりません。
要するに本来、売掛金なら必要のない資料を準備し、その資料が大量になってしまう点が大きなデメリットです。
さらに、ファクタリングに依存してしまう可能性があります。
本来の経営ではファクタリングを利用せずに、資金が回るのが理想です。
しかし資金が早く必要な場面になり、一度ファクタリングを利用してしまうと、なかなか抜け出せないループになってしまう可能性があります。
あくまでも利用する際は臨時措置として、依存しないように気をつけなければなりません。
とはいえ、デメリットだけではなく利用するメリットもありますので、次章ではファクタリングを利用するメリットについてもみていきます。
ファクタリングを利用するメリット
冒頭でも紹介しましたが、1番のメリットとして売掛金をすぐに現金化できる点です。
審査状況にもよりますが、早ければ当日から翌日には現金化できます。
そのため大口受注などで、大量に仕入れが必要になった場合でも、すぐに資金調達が可能です。
売掛金をすぐに現金化できれば、突発的な注文にも臨機応変に対応でき、キャッシュフローがまわりやすくなります。
また、保証人や担保なく利用できる点もメリットの1つでしょう。
ファクタリング会社に申し込むだけで、サービスの利用が可能です。
2社間ファクタリングを利用すれば、取引先には知られずに資金調達ができ、信用情報に影響を与えません。
上記以外にも、貸し倒れリスクが減少するのも利用するメリットといえます。
万が一、取引先の資金繰りがきびしくなった場合、売掛金が回収できない可能性がでてきます。
しかし、ファクタリングを利用すれば、すぐに現金化できるため貸し倒れのリスクを減少できるでしょう。ただし、これはファクタリングサービスの保証型に限られます。
よって、ファクタリングの大きなメリットとしては、すぐに資金調達できる点が大きなメリットでしょう。
ファクタリングを利用する際の手数料
では、ファクタリングの手数料はいくら必要かみていきましょう。
以下は、ファクタリングを利用する際にかかる手数料の一覧です。
手数料の相場は以下のとおりです。
ファクタリングサービス | 手数料 |
---|---|
2社間 | 売却する売掛債権の10%〜30% |
3社間 | 売却する売掛債権の2%〜8% |
ファクタリングの手数料は、一般的に2社間では、売却する売掛債権の10%〜30%が必要になります。一方で、3社間では売却する売掛債権の2%〜8%が手数料の目安になります。
手数料を安く抑えたいなら、3社間ファクタリングが理想ですが、取引先に知られてしまう懸念があるので、そこをクリアできるなら問題ないでしょう。
一方、取引先に知られたくない場合には2社間ファクタリングを利用することになるので、手数料が高くなってしまいます。
どちらを利用するかは、取引先との関係性にも関わってくるので、利用する際には検討する必要があるでしょう。
ファクタリングを利用する注意点
それでは、ファクタリングを利用する際の注意点を紹介します。
ファクタリングを利用する注意点
- 買取型と保証型の違いを理解する
- 悪徳業者や違法業者が存在する
- ファクタリング会社の選び方
- 取引先からの信用を失うおそれがある
買取型と保証型の違いを理解する
1つ目の注意点として、買取型と保証型の違いを理解する必要があります。
その中でも、買取型の特徴は全額一括返済が基本です。それ以外の方法はありません。
さらに不良債権(期日の過ぎた債権)は、ファクタリングの対象にならないので注意しましょう。
一方保証型は、売掛金の数%の保証料を支払う代わりに売掛金の全額が保証されます。
ただし、すぐに現金化はできません。
取引先の売掛金が回収できないと判断された場合は、保証金が受け取れます。
したがって、それぞれのサービス内容を理解して利用するかを検討しましょう。
悪徳業者や違法業者が存在する
注意点として、ファクタリングサービスを装って高金利で貸付けするヤミ金融業者も確認されています。
例えば、債権額と比べて著しく差がある低い金額で買取金額を提示してくる場合には注意が必要です。
また、集金がファクタリング会社から売主に委託されていて、売主が債権を買い戻すことになっている場合も疑わしいでしょう。
このように偽装ファクタリングが存在しているので、信頼性のあるファクタリング会社を選択することが大切です。
それではファクタリング会社の選び方についてみていきましょう。
ファクタリング会社の選び方
上記のような悪徳業者を見極めるためにも、以下の点を確認する必要があります。
ファクタリング会社の選び方
条件は、それぞれ異なりますが手数料の確認や契約条件がはっきりしているかが大切です。
極端に審査基準が甘い、条件があいまいなどおかしい点がないか利用する前に、しっかりと内容を確認しましょう。
取引先からの信用を失うおそれがある
3つ目の注意点として、取引先からの信用を失うおそれがあるので注意しましょう。
ファクタリンングサービスを利用していると、すぐに現金が必要なのはキャッシュフローが回っていない、イコール資金繰りがきびしい会社として取引先から不安に思われるかもしれません。
通常、キャッシュフローが回っていれば売掛金をすぐに現金化しなくても問題ないからです。
しかし、現金化を急いでいる会社は経営状態がきびしいと捉えられても仕方ありません。
したがって、ファクタリングを利用していることを取引先が知れば、信用を失い、契約の継続を拒まれてしまう可能性はあるでしょう。
ファクタリングを利用する際のよくある質問
ここでは、ファクタリングを利用する際によくある質問に回答していきます。
- 返済しないとどうなる?
- 目的は何?
- どんな時に使う?
- 支払い方法は?
返済しないとどうなる?
催促通知がきているにもかかわらず、返済しない場合には、まず売掛先に債権譲渡通知が送付されます。
通常、債権譲渡通知が送付されるケースは長期で返済が滞っている場合が多いです。
そのため、債権回収会社から一括請求される可能性もあります。
万が一、返済できない場合には損害賠償請求されるまたは最悪の場合、詐欺や横領罪に問われてしまうかもしれません。
目的は何?
ファクタリングの1番の目的は、早期に現金化することです。
売掛金の場合、期日がきて現金化するのに時間がかかります。しかし、ファクタリングを利用すれば、早ければ当日か翌日には現金化が可能です。
そのため、すぐに現金が必要なときには便利なサービスといえます。
どんな時に使う?
1つの例としては、大口の注文が入った場合には大量に材料を仕入れる必要があります。
とはいえ、売掛金のままだと現金がありません。
現金がなければ仕入先も対応してくれないでしょう。
そこで、ファクタリングなら先に現金を準備できるので、あとで売掛金で回収した資金を返済することで解決できます。
支払い方法は?
支払い方法は、原則一括払いです。分割払いには対応していません。
ファクタリング会社は、貸金業ではないため違法になる可能性が高いからです。
もし、分割払いに対応しているファクタリング会社があれば、悪徳業者の可能性が高いので注意しましょう。
また返済期日の延長もありません。基本、ファクタリング会社は手数料で経営を維持しているため、返済されないとサービスが成り立たなくなります。
よって、支払い期日の延長はないことを覚えておきましょう。
ファクタリングが理解できたら利用してみよう
ファクタリングサービスは、早期に現金を準備できる便利なサービスです。しかし、一歩まちがえば取引先から信用を失うリスクも伴っています。
そのため、できるだけ通常のサイクルでは売掛金の期日どおりにキャッシュフローが回るようにすれば問題ありません。
しかし、今回紹介したように急な大口注文が入った場合など、緊急措置としてサービスを利用するなら便利なサービスといえます。
したがって、メリット・デメリットを考慮して利用するとよいでしょう。