
最近よく聞く「RWA」って何だろう?

「不動産や金が仮想通貨になるってどういうこと?」
このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。
本記事では、RWA(リアルワールドアセット)の基本情報や仕組み、RWAが仮想通貨(トークン)になるメリットについて詳しく解説します。
RWAのことが気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
RWA(リアルワールドアセット)とは?
RWAとは、正式名称「Real World Asset(リアルワールドアセット)」の略で、現実世界にある資産のことを意味します。
例えば、不動産や金、株式、債券、美術品などをブロックチェーン上にトークン化することでデジタル資産としての保有が可能になります。
- 不動産:マンションの一室や土地などの所有権の一部
- 株式や債券:企業の株式や国・企業の債券
- 金(ゴールド)や原油などのコモディティ:これらの現物の所有権
- 美術品やワイン:高価なコレクションの所有権の一部
- 特許や著作権:知的財産の権利
これまでの資産取引には、いくつかの課題や難点がありました。具体的には流動性の低さやアクセスの難しさです。不動産や美術品は、すぐ現金に変えにくい点があり、必要な時にすぐに現金化できない資産は、流動性が低いと言えます。
アクセスの難しさでは、一部の人しか取引に参加できなかったり、所有できなかったりすることです。
これらの課題があったため「もっと多くの人が簡単にさまざまな資産を取引できるように」というニーズがありました。RWAの仮想通貨は、これらの課題を解決する可能性を秘めているのです。
RWAが仮想通貨(トークン)になるとどうなるの?【仕組みとメリット】
それでは、RWAが仮想通貨(トークン)の仕組みやトークン化されることのメリットについて解説します。
トークン化とは
はじめに「トークン化」を簡単に言うと「現実にあるモノの権利をインターネット上のデジタルチケット(=トークン)にするイメージ」 です。
例えば、以下のものがトークン化できる可能性があります。
- 不動産の一部をトークン化:大きなマンションの一室を小さなデジタルチケットに分割することで、お金がなかった人でもマンションの一部を持つことができる。
- 絵画をトークン化:高価な絵画の「所有権の一部」をデジタルチケットにし、お金を出し合って絵画の価値を共有できるようになる。
- 会員権をトークン化:スポーツジムの会員権をデジタルチケットにし、チケットを他の人に譲渡したり、売買したりできるようになる。
高価で分けにくいモノを小さな単位に分割できたり、インターネット上で簡単に管理や取引ができたりします。
トークン化のメリット
次にRWAがトークン化されるメリットについて解説します。
トークン化するメリットには、以下のことが挙げられます。
- 流動性の向上:小さな金額で取引できる(例:高価な絵画の一部を持てる)
- アクセスの向上:投資できなかった層も参加しやすくなる(例:海外の不動産に少額から投資できる)
- 取引コストの削減:仲介者が減ることで手数料が安くなる可能性
- 透明性の向上:ブロックチェーンで取引記録が公開される安心感・透明性
- 新たな金融商品の可能性: これまでになかった新しい投資方法が生まれる期待感
このようにトークン化することで、今まで一部の人しかできなかった投資へ挑戦できるようになる可能性が広がることが一番のメリットといえるでしょう。
つまり、これまで扱いにくかったモノの価値を、より多くの人が、より柔軟に扱えるようになる可能性があるのです。
現実世界の様々な資産が、インターネットの世界で「デジタルチケット」になるイメージを持つと理解しやすいでしょう。
具体的なRWAの例
各RWAがトークン化されると、どのような取引や活用ができるかを紹介します。
具体的な例は、以下のとおりです。
- 不動産トークン:マンションの一室をみんなで共有して賃料収入を得る
- 金トークン:少額から金の価格変動に連動した投資をする
- 株式トークン:まとまった資金が必要だった株式を少額単位で売買
- 美術品トークン:高価な絵画の収集価値をみんなで共有
これから新しい投資への可能性が期待できます。
RWAの仮想通貨の現状と今後の展望【未来への期待】
現在、RWA(リアルワールドアセット)のトークン化プロジェクトは、世界中で様々な形で進んでいます。まだ黎明期ですが、注目すべき動きも多数あるため、いくつかの例を挙げながら解説します。
不動産のトークン化
まず不動産のトークン化について、以下に紹介します。
- RealT:アメリカの不動産を小さな単位のトークンとして販売し、少額から不動産投資を可能にしており、トークン保有者は賃料収入を分配金として受け取れる場合がある。
- NOT A HOTEL:日本の高級ホテルやヴィラの会員権(利用権)をトークン化し、1日単位での宿泊を可能にしている。
- SBI証券「いちご・レジデンス・トークン」:日本国内の不動産を小口化したセキュリティトークンで、個人投資家が比較的少額から不動産投資に参加できる。
- 野村証券「ケネディクス・リアルティ・トークンKolet-1」:不動産をトークン化したセキュリティトークン。
セキュリティトークン(ST)とは、デジタル上の有価証券です。
現在、国内でもSBI証券や野村証券なども大手企業も不動産のトークン化を実施しています。
例えば「いちご・レジデンス・トークン」は、最先端のセキュリティ・トークンを用いることで、少額から不動産投資ができます。不動産投資のプロフェッショナルが運用しているため、不動産投資に興味のある方には魅力的な投資方法の一つです。
また、NOT A HOTELは日本の高級ホテルやヴィラの会員権(利用権)をトークン化することで、1日単位の宿泊を可能にしました。これまで高額なホテルへの宿泊を敬遠してきた層へのハードルも下がり、旅行先の幅が広まったといえるでしょう。
不動産をトークン化することで、現実の不動産に少額で投資できたり、高級ホテルに1日単位で宿泊できたりと魅力的な点は多いです。
NOT A HOTELは現在、GMOコインで取引されており、興味のある方はまず無料登録してみましょう。
金(ゴールド)のトークン化
次に金(ゴールド)のトークン化について、以下のものを紹介します。
- ジパングコイン(ZPG):三井物産デジタルコモディティーズが発行する暗号資産で、価格が金(ゴールド)の市場価格と連動するように設計されている。
- テザーゴールド (XAUT):米ドルに連動されたステーブルコインであるテザー社が発行する、金に裏付けされたトークン。
金は「安全資産」と言われ、アメリカの関税政策に対する懸念などから、金の需要が高まっています。
2025年4月22日に日本国内の金の小売価格が1グラムあたり17,160円となり、史上最高値を更新しました。そんな金の価格に連動したトークン化です。
金は経済や政治の情勢が不安定な時や、インフレ懸念が高まった時など買われやすい傾向があります。また埋蔵量に限りがあり、採掘コストも高いため、長期的に価値が保たれやすいと考えられています。
アート作品のトークン化
アート作品のトークン化も行われています。
- STRAYM:アート作品をより小さな分けやすい単位に分割してトークン化し、複数人で共同保有できるようにするプラットフォーム。
- NFTアートの所有権:デジタルアートだけでなく、現物の絵画などの所有権をNFT(Non-Fungible Token)として発行する試みも増加している。
アート作品は高額な作品も多く、所有したくてもできなかった方も多いでしょう。その悩みを解消してくれるのが、このアートのトークン化です。
世界を代表するようなアート作品にも、少額から投資できる未来に期待できます。
多様な資産のトークン化
その他にも、資産をトークン化した例があります。
- UniCask:ウイスキー樽の所有権をNFTとしてトークン化し、少額からの投資や取引を可能にしている。
- Sake NFT:日本酒の権利をNFT化し、少額投資や二次流通を可能にするプロジェクト。
- カーボンクレジット:環境価値であるカーボンクレジットをトークン化する動きもある。
- 債券や株式:伝統的な金融資産である債券や株式をブロックチェーン上でトークン化する試みも、機関投資家を中心に進んでいる。
このように現在、RWAのトークン化はさまざまな分野で進んでいます。これからの最先端な投資に興味のある方は、無理のない範囲で少額から参加してみましょう。
RWAで注目すべきプラットフォームや技術
ここでは、RWAの注目すべきプラットフォームや技術について紹介します。
- 三菱UFJ信託銀行:ステーブルコインやセキュリティトークンなどの発行基盤を提供しており、RWAトークン化を推進するインフラとしての役割が期待されている。
- Plume Network:RWAのトークン化に特化したレイヤー2ブロックチェーンとして開発が進められている。
- tokenbase:RWAプラットフォーム構築のためのアプリケーションを提供。
これらのプラットフォームや技術は、不動産、金、アートなど、様々な現実世界の資産をブロックチェーン上で扱いやすくすることで、新たな投資機会や効率的な取引の実現を目指しています。
今後のさらなる進化に期待しましょう。
RWAの現状と今後の展望
RWAのトークン化は初期段階であり、規制の整備や技術的な課題も多く存在します。
しかし流動性の向上、アクセスの民主化、取引コストの削減といったメリットから、今後大きな成長が期待できるでしょう。
特に不動産、貴金属、伝統的な金融資産などの分野での実用化が進んでおり、今後はアート、コレクターズアイテム、知的財産など、さらに多様な資産のトークン化が進むと予想されます。
大手資産運用会社のブラックロックなどもRWAのトークン化に注目しています。機関投資家の参入も今後の市場成長を牽引する可能性があり、これらの情報を参考にRWAのトークン化の動向に注目していくとよいでしょう。